GitHub Code Qualityは2026年7月20日、GitHub TeamとGitHub Enterprise Cloud向けで正式提供されました。Pull Requestに入った品質問題を検査し、修正候補まで出す機能です。
同時に確認すべきなのが料金です。active committer 1人あたり月10ドルだけではありません。AI機能が使うGitHub AI Creditsと、CodeQL検査が使うGitHub Actions minutesも別に発生します。
公開テスト中に有効化していた組織では、再設定なしで動き続けます。無料期間が終わったから自動停止するわけではないため、管理者は対象リポジトリを先に確認する必要があります。
PRを2種類の検査へ通す
Code Qualityは、コードの信頼性と保守性を主に確認します。
- 信頼性: 異常終了、誤った条件分岐、安全でないエラー処理など
- 保守性: 重複、複雑すぎる処理、未使用コード、保守しにくい書き方など
検査は2層です。
- CodeQLによる規則検査: 既知の問題パターンを決められた規則で検出する
- AIによる検査: 既存規則だけでは拾えない変更をモデルが解析する
Pull Requestではgithub-code-quality[bot]が該当箇所へコメントし、可能な場合はCopilot Autofixによる修正候補を表示します。Pull Requestは、変更内容を共有し、確認後に標準ブランチへ取り込む仕組みです。
標準ブランチへ入った後のコードも対象です。リポジトリのダッシュボードに既存の品質問題を表示し、保守性と信頼性の状態を追えます。
正式提供で増えた5つ
公開テスト後に追加された主な機能は次のとおりです。
| 機能 | できること |
|---|---|
| 組織全体の有効化 | 複数リポジトリへまとめて適用する |
| 組織ダッシュボード | リポジトリごとの保守性と信頼性を比較する |
| コードカバレッジ表示 | テストが通ったコードの割合をPR上で確認する |
| 品質ゲート | 基準未達のPRをrulesetで止める |
| API | 有効化状態と検出結果を管理・取得する |
コードカバレッジの取り込みはCobertura XML形式に対応します。これは、テストがどのコードを実行したかを記録する共通形式の一つです。
rulesetは、ブランチやPull Requestへ適用するルールの集合です。品質問題の重大度やカバレッジの最低値を決め、条件を満たさない変更を取り込めないようにします。
料金は3つに分かれる
料金を「1人月10ドル」とだけ理解すると、請求の全体を見誤ります。
| 課金 | 何に対して発生するか | 確認場所 |
|---|---|---|
| active committer | 有効なリポジトリへ過去90日以内にcommitがpushされた人 | ライセンス見積もり |
| GitHub AI Credits | AI検出とCopilot Autofixが使うモデル処理 | AI Creditsの利用量 |
| GitHub Actions minutes | CodeQLの規則検査を動かす時間 | Actionsの利用量 |
active committerは、Code Qualityを有効にしたリポジトリへ、過去90日以内にcommitがpushされた人です。commitを作った日ではなく、リポジトリへpushされた日で判定されます。
同じ人が複数の対象リポジトリへ参加しても、組織内では1人として数えます。GitHub Appのbotアカウントは対象外です。公式発表の標準価格は1人あたり月10ドルですが、実請求には契約割引や税が影響する場合があります。
AI Creditsは、AIモデルを使う処理量の共通枠です。GitHubの料金文書では1 AI Creditを0.01ドルとしています。Code Quality専用の無料AI枠ではなく、組織の共通AI Creditsから消費します。
CodeQL検査はGitHub Actions上で動くため、GitHubが用意する実行環境を使えばActions minutesも消費します。自社管理の実行環境を使う場合でも、運用コストがなくなるわけではありません。
Copilot契約が必要な場所、不要な場所
名称にCopilot Autofixと入っていますが、GitHubは次の機能にCopilot契約は不要と説明しています。
- AIによる品質問題の検出
- Copilot Autofixの修正候補を表示・適用
一方、検出した問題の修正作業をCopilot cloud agentへ委任する機能にはCopilot契約が必要です。cloud agentは、GitHub側の実行環境でコードを変更し、Pull Requestを作るエージェントです。
つまり、修正候補を人が確認して適用するところまではCode Qualityの契約範囲です。修正作業そのものをエージェントへ任せると、別にCopilotの条件が加わります。
CodeQL規則が対応する言語
正式提供時点で、CodeQLによる規則検査の対応言語は次の7つです。
- C#
- Go
- Java
- JavaScript
- Python
- Ruby
- TypeScript
AI検査は、これ以外の言語を含む最近の変更も対象にできます。ただし、規則検査とAI検査は同じ保証ではありません。対象言語外でもすべて同じ深さで検査される、と受け取らない方が安全です。
また、提供対象はGitHub TeamとGitHub Enterprise Cloudです。GitHub Enterprise Serverでは、正式提供開始時点で利用できません。
公開テストで使っていた組織は今すぐ確認
GitHubは、公開テストで1万を超える企業がCode Qualityを実行したと説明しています。既存利用者は移行や再設定が不要で、設定を維持したまま有料製品へ移りました。
無料期間の終了と同時に停止したと思っていると、意図しない範囲で検査と課金が続きます。次の順で確認します。
- 組織のSettingsからCode qualityを開く
- Repository accessが全体、選択式、条件指定のどれか確認する
- 対象リポジトリのactive committer見積もりを見る
- AI Creditsの予算と通知を確認する
- Actions minutesの利用量を確認する
不要なら、リポジトリまたは組織単位で無効化します。使う場合も、最初から全リポジトリへ広げる必要はありません。
最初は1〜3リポジトリで試す
GitHubの導入文書も、小さな対象で試し、品質の基準値を調整してから広げる方法を勧めています。
最初の対象は、次の条件で選ぶと判断しやすくなります。
- PRが定期的に作られている
- 対応言語が中心になっている
- テストとカバレッジ報告がある
- 誤検出を判断できる担当者がいる
- active committer数とActions利用量を追える
確認したいのは指摘数の多さではありません。merge前に直せた問題、誤検出、増えた待ち時間、AI CreditsとActions minutesを一緒に記録します。
GitHubは自社内でCode Qualityの指摘の67.3%をmerge前に解消したと報告しています。これはGitHub社内の結果であり、他の組織でも同じ割合になる保証ではありません。自分のリポジトリで品質改善と費用が釣り合うかを、小さな導入で測る必要があります。
QUESTIONS
よくある質問
GitHub Code Qualityは個人の無料リポジトリで使えますか?
公式文書では、組織所有のリポジトリを対象とし、GitHub TeamまたはGitHub Enterprise Cloudが必要です。個人向け無料機能としての案内ではありません。
Copilot契約がなくてもAutofixを使えますか?
GitHubは、Code QualityのAI検出とCopilot AutofixにはCopilot契約が不要と説明しています。修正作業をCopilot cloud agentへ委任する機能にはCopilot契約が必要です。
月10ドルだけで利用できますか?
月10ドルはactive committer 1人あたりの基本ライセンスです。別にAI機能のGitHub AI Creditsと、CodeQL検査のGitHub Actions minutesが発生します。
公開テストで有効にした設定は止まりますか?
GitHubは移行や再設定は不要で、そのまま有料製品として動き続けると案内しています。不要な請求を避けるには、有効な組織とリポジトリを確認して無効化します。
PRIMARY SOURCES
一次情報・出典
主要な判断は、以下の公式発表・公式文書を基準にしています。
- 01 GitHub Code Quality is now generally available GitHub Changelog/確認日 2026/07/22
- 02 GitHub Code Quality GitHub Docs/確認日 2026/07/22
- 03 GitHub Code Quality billing GitHub Docs/確認日 2026/07/22
- 04 Enabling GitHub Code Quality GitHub Docs/確認日 2026/07/22